政宗×幸村

□秘密基地
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「一人二本とのことです」

幸村は早々に一本目を口に入れ、幸せそうな顔をした。
政宗も同様に団子を口にし、幸村程ではないが顔を綻ばせた。
幸村はあっと言う間に二本食べてしまい、正座して政宗が食べ終わるのを待っている。
視線の先はタッパーに入った政宗の分の団子に釘付けだ。
言葉にしなくても「食べたい」という気持ちがまる分かりで、政宗は少しおかしくなった。

「幸村、欲しいならやるよ」
「まことですか?…でも、さすけが一人二本と言っておりましたから…」

政宗の好意に顔を輝かせたが、直ぐにまたシュンとしてしまった。
どうやら佐助にキツク言われたらしい。

「幸村、ここは何処だ?」
「え?ひ、ひみつきちです」
「そう秘密基地…だからどんなことしても秘密だ」
「で、ではまさむね殿はさすけに言ったりしませんか?」
「ああ。だから食べな」
「ありがとうございます!!」

幸村はもらった一本も早々に胃袋に納めてしまった。
団子ごときにこんなに熱心になる幸村が可愛いかった。

政宗は幸村の全てが愛しかった。

丸くて大きな目も、茶色の柔らかい髪も、甘いものが好きなところも。

「まさむね殿」

自分の名前を呼ぶ声も。
全てが狂おしく愛しい。
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