政宗×幸村
□仕方がない。
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仕方がないで片付けられたら、どんなに楽だろう?
きっと幸村以上のライバルなんて自分の人生の中でもう二度と現れることはない。
ライバルは障害とは違う。
いなければ天下を楽にとれるわけでもない。
居たからこそ…自分はここまでの成長を遂げることが出来たのだ。
ただ一人を思い、熱くなり、高揚感を覚えた。
時には熱くなりすぎて小十郎にも咎められた。
戦うことが純粋に楽しかった。
言葉を交わすよりも…刃を交わすほうが好きだった。
今は…?
刃は交わした。
決着も付いた。
これ以上する必要があるのだろうか?
言葉を交わしたい。
話がしたい。
きっと上手く付き合っていける。
何て言ったってライバルだ。
それは許されないのだろうか。
天下は欲しい…でも天下の為に失う必要はあるのか?
自分の心を満たしてくれる、唯一の人間を。