元親×元就
□病
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「顔赤いな…大丈夫か?」
恥ずかしくて顔が赤くなったのだが、元親が勝手にいい解釈をしてくれた。
氷水で冷やされた布が優しく顔に当てられる。
その心地よさにうっとりと目を閉じる。
「倒れたって聞いて心配したんだぜ?結構お前無茶するから」
「無茶などしておらぬ…」
「今の状態が無茶した結果だろうが」
もっともな理由なので反論できない。
それに…。
日輪が出ているからずっと外にいたわけではない。
天気がいいから、もしかしたら元親が会いに来てくれるのでは。
そう思ってずっと外で海の方を見つめていたのだ。
会いたかったのは元親だけではなく元就の方も同じで。
「この男の為に無茶をしたようなものだな…」
「え?何か言ったか?」
「何でもない」
これは病だ。
日射病なんかよりずっと性質の悪い。
ずっと熱を発する病だ。
眉間に皺を寄せたままの真っ赤な顔の元就を、元親は笑いながら愛おしそうに見ていた。
終
懺悔→