元親×元就
□永久に
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「ありがとな、下がっていいぞ」
「はい」
侍女は邪魔はいけない、とばかり足早に去っていった。
「あっ!!」
「何だよ?」
「……火鉢の炭を持たせようとしておったのに」
元就は益々眉間に皺を寄せて元親を睨んだ。
「火鉢なんかいらねぇだろ。この部屋温かいぞ?」
「我は寒いのだ!!……御蔭で筆も陸に持てぬ」
効果は無いだろうが、温かみを失いつつある火鉢に再び手を翳す。
するとその手を元親に握られた。
「うわ、冷てぇな」
元親は、元就の両手を大きな手の中に収めた。
伝わる熱が元就の冷たい手を温める。
「火鉢に当たっててこれかよ…」
元親は元就の体を抱き寄せ、強く抱き締めた。
手同様体も冷えている。
開いた足の間に元就を座らせて体全体を包み込む。
「冬はいっつもこうなのか?」
「え?」
「こんなに体冷たいのかって」
「ああ…」
温かい体温が心地良く、元就は抵抗も文句も言わずおとなしく元親の胸に頬を寄せた。