元親×元就

□LLAD 親就ver
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大人にもなって情けない奴め。
と思いながらも憎めないのが元親である。
仕方なさそうに元就も囁き返した。

「…貴様のことを優先しておるから仕事をするのだ」
「は?」

相手の言う意味が分からず元親は一旦体を離して元就と見詰め合った。
元就は不本意そうな顔で元親を睨んだ。
顔が少し赤い。

「我は仕事を明日の朝までに片付けねばならぬ。しかしそなたは明日の朝帰る。
我は……そなたが帰る時に仕事はしておりたくない。だから今仕事を片付けるのだ」
「元就…」

普段心のうちを語らない元就がここまで語るなんて。
元親は感動して元就をギューっと抱きしめた。

「分かったなら離せ。我は仕事をする」
「お前がそんなに俺のこと愛してくれてたなんて感激だ」
「うるさい、馬鹿者、さっさと離せ」

照れ隠しの言葉もまた元就の可愛さである。
幸せそうに笑いながら元就を開放した。

「仕事…すぐ終わるか?」
「…貴様が邪魔をしなければこんなものすぐ終わる」

最後の最後まで口が悪い元就。
元親はおとなしく元就を見つめながら仕事が終わるのを待っていた。




「明日帰るけどさ、またすぐに来る」
「…そんなに近い距離ではないのだから無理をするな」
「会いたいから来るんだよ。それに距離なんか関係ねぇよ。『惚れて通えば千里も一里』ってな」


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