小十郎×佐助

□輝く未来 *
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時刻は深夜。
真っ暗な闇が包み、誰もが眠る時間。
夫婦となって数か月、新婚生活を満喫中の片倉夫妻はベッドの上で体を重ねていた。
暗い寝室に差し込むのは外の月明かりだけ。

「ひあッ、ああ…あん、んん」

佐助の声が部屋にか細く響く。
気持ち良さに震える手は小十郎の髪の毛をクシャッと乱した。
その手を愛しく撫でながら、秘部に舌を這わせる。
溢れてくる愛液を舐め取りながら、優しく愛撫する。

「も、ぁぁ…い、からぁ」

ほしいと小さく強請られ、小十郎は顔を離した。
潤んだ瞳を向けてくる佐助の頬にキスを送りながら小十郎はベッドの上の棚に手を伸ばした。

「…ん?」

伸ばした指先に何も手ごたえがない。
唇を離して棚の上を確認するも、目当てのものはどこにもない。
そういえば前の時に無くなってしまったのをすっかり忘れていた。
ないものは仕方がない。
小十郎は小さくため息をついて、佐助の耳元で囁いた。

「…これ以上はしてやれねぇ」
「え?な、んで…?」
「アレがない」

何が無いのか佐助にはすぐ分かった。
それでも一度熱くなった体がもどかしくて、縋るように小十郎に抱きつく。

「ん…い、から…ほしぃ」
「佐助…」
「お願い…」

情欲を孕んだ瞳で見つめられ、甘くか細い声で耳元で言われ。
いくら小十郎でも理性の糸が切れる音が聞こえた。

「ん、んあっ!!」

解かされたソコに小十郎が腰を落としていく。
熱塊が体内を満たす感触に堪らずしがみ付いて甘い声で佐助は啼いた。
何も纏わず、直に触れる部分が熱い。
本当に一つになれた事と気持ちよさに佐助は涙を流した。

「こ、小十郎…さ、ああァ…」

小十郎がゆっくりと腰を動かす。
気持ちがいい場所を掠める度に佐助の口から嬌声があがる。
先走りと愛液が相まってグチュ、という卑猥な音がする。

「ひっ、ああ…あ、アア」
「佐助…」
「こ、こじゅ、ろ…さ、ぁあ、んぅ」

気持ちよくて名前も満足に口に出せない。
揺さぶられ、突かれ、もう何も考えられない。
ただ、気持ちがいい。

「愛してる…」
「あッ、や、あああぁ!!」

耳元で囁かれた愛の言葉。
それを聞いた途端快感が体を駆け抜けた。
堪らず小十郎にしがみ付くと、中がキュウと締まった。

「さ、すけ…っく」

快楽の証である精を佐助の胎内に放った。
荒い息を整えながら、小十郎は佐助の頬を撫でた。

「っ、すまない…」

本当は外で出すつもりだったのだが、あまりの気持ちよさに小十郎も我慢が効かなかった。
抜こうとすると、佐助に止められた。
唇を唇に軽く当ててキスをして、佐助は微笑んだ。

「いい…気持ちよかったから」
「佐助…」
「俺も…愛してるよ」

見つめあい互いに笑ってから、もう一度唇を重ねた。
何度も口付けを繰り返しながら、二人は暫くベッドから起き上がろうとはしなかった。
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