小十郎×佐助

□獣化兇様 *
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佐助がいきなり狐になった。
珍しく術に失敗したらしい。
そんなこんなでまあ、いろいろあって。
佐助は今、小十郎の屋敷で休暇をとっている。

「真田の旦那優しー」

ケラケラ笑いながらご機嫌でずんだ餅を食べている佐助。
報告書と共に『今、片倉の旦那の屋敷にいるんだ。ちょっと休みもらってもいい?」という文を送ったら。
『分かった。ゆっくり休むといい』と快い返事が返ってきた。
流石良き理解者。
これで少しの間は恋人とのんぶり過ごすことが出来る。
佐助はそう思っていた。
が、現実はそうではなかった。

「佐助」
「な〜に?」

真面目な声に振り返れば、同じく真面目な表情の小十郎。
何だか嫌な予感がした。

「変化の術は得意か?」
「え?…あ〜、苦手、かな?」

佐助は変化の術が苦手だ。
体力は使う上に、印を結んで力を溜める時間がかかってしまうので嫌いだった。
だから、変化の術に関しては練習というものをあまりしなかったのだ。
変化の術がなくても他の技術で補っているので問題はなかった。
そう、あの時までは。

「苦手なら練習が必要だな」
「え〜!?嫌だって!!」
「却下だ」
「ひっどー」
「また失敗したら、今度は何するか分かんねぇぞ?」

意地悪っぽく笑みを返され、佐助は言葉に詰まってしまった。
昨夜の行為をまざまざと思い出してしまい、一気に顔が熱くなる。
慌てて頭から放り出すように首を強く横に振る。
本当にこの男は自分を動かすのが上手い。
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