小十郎×佐助

□同じ人
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「Come on!!」
「参る!!」

ぶつかる刀と槍。
辺りに散る雷と炎。

伊達政宗と真田幸村の一騎討ち。
そんな戦う二人を佐助は見つめていた。
手出しは出来ないが、する必要もない。
これは二人の単なるじゃれあいのようなものだから。

「何が楽しくて闘うのか…」

佐助は縁側から溜め息をついた。
ここは政宗の屋敷。

「政宗様が全力を出せるのは真田殿くらいだからな」

同じように縁側から二人の光景を眺めている小十郎が佐助の疑問に答えた。

「恋人同士なのにね」

そう、今闘い真っ最中の二人は恋人同士。
だからだろうか。
とても楽しそうに闘っている。

「恋人同士だからこそだろう」

佐助は横目で小十郎を見つめた。
精悍な顔立ちが見つめる先には主とその恋人。
佐助としては正直二人が付き合うのにちょっとだけ反対だった。
幼い頃から一緒に居た幸村を取られた気分だったからだ。
娘を嫁にやるような…いや、幸村は男なのだが、どうも婿にやったより嫁にやったという方がしっくりくる。
旦那可愛いもんな。
佐助は心の中で笑った。
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