政宗×幸村
□愛しさ故の争い
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「はい、旦那。お茶」
「おお、すまぬ佐助」
麗らかな日の午後。
佐助と幸村。
武田軍のいつもの光景。
忍である猿飛佐助は今日も主である真田幸村の為に、忍の仕事を超えた仕事をしていた。
いっつもこんなんだよな、この二人。
そんな二人をイライラしながら見つめるのは、奥州筆頭伊達政宗。
今日はわざわざ恋人の幸村に会う為に甲斐まで足を運んでいたのだ。
幸村と二人で語らいあっていると、急に幸村が。
『そうだ、政宗殿。団子を食べますか?』
『団子?』
『はい』
『じゃあ、もらう』
『美味しいのですよ〜。先日佐助と二人で初めて訪れた茶屋の団子なのです』
『…へ〜』
『あ、そうだ。佐助、佐助〜!!』
『何、旦那?』
『お茶がほしい』
『はいはい、お茶ね。ちょっと待ってて』
と、こんな感じで。
佐助、佐助、佐助、佐助。
うんざりだ。
だいたいお茶くらい女中に注がせりゃいいのに。
それを言ったら。
『佐助が煎れるお茶の方が美味しいのです』
こうきやがった。
随分佐助をかってるんだな。
だからこそ気に入らない。