政宗×幸村

□秘密基地から溢れた秘密事
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「ただいまでござるー」
「ただいま…」
「おかえり〜」
「おかえりなさい」

家に帰ると佐助と小十郎が二人で仲良く台所に並んで夕飯の準備をしていた。

「夕飯出来るまでまだ時間あるから、一緒にお風呂入っておいで」
「まさむね殿、おふろに入りましょう」

今の政宗にとってこれほど酷なことはない。
何かいい言い訳はないかと思案したが思いつかず、仕方なく一緒に風呂に入る事にした。

脱衣所で服を脱ぐ幸村。
政宗はすぐに服を脱いで浴室に入り、なるべく幸村を見ないようにした。
後から幸村が入ってきて政宗の隣に腰かけた。

「幸村、目つぶれ。湯かけるぞ」
「はい」

幸村はギュッと瞼を閉じた。
それを確認してから政宗は湯をかけた。
脳内で紡ぐ言葉は「平常心」。
幾度となく幸村と一緒に風呂に入る度、政宗はいつも抑えようと必死だった。
だが…今日は本当に制御しないと、自分が何をしでかすか分からない。
適当に髪をシャンプーで洗い、湯で泡を流す。

「ぷはっ」

幸村が犬のように首を横に振り、水気を飛ばした。
濡れた髪が自制心を崩す。

「………」

政宗は視線を外してボディソープをタオルに付けて幸村に渡した。
それを受けとり体を擦る幸村を横目に、政宗は自分の髪を洗った。
雑念を消すように強く擦ったせいで、頭の皮膚がチリチリ痛んだ。
もっと痛むのは胸の奥。
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