元親×元就

□魂
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昔も今も変わらず。
いつも側にいるのは眼帯銀髪のこの男。




「何か…本当不思議だよなぁ」

放課後の屋上。
天気が良く、元親の部活もなかったので、二人は日向ぼっこがてら屋上で寝転んでいる。

「そうだ…な」

時折風でめくれそうになるスカートを押さえながら、元就も呟いた。

何の因果か分からないが、前世の記憶が突然蘇った。
それは周りの他の人間たちも同じらしく、少々混乱した日を送っている。

「幸村は変わらずだったな」
「ああ、変わらずだった」

戦国は敵同士、今は親友。
記憶が戻って少々困惑したようだが、「元就殿は元就殿です」
そう言って笑顔を向けてくれた幸村に感謝した。

「ところでよー」
「何だ?」
「この微妙な距離は何だ?」

二人は屋上に寝転がっている。
しかし、二人の間には距離がある。
一応これでも二人は彼氏と彼女なので、これはあまりにもおかしい。
だが、元就は何も言わず、動きもしない。

「元就ー」

元就が何も言わない時は、怒っているか、すねているか、困っているか。
どれにしたっていい状況ではない。
体を起こし、元就を見ると、ずっと青空を見ている。
泣きそうに見えるのは気のせいだろうか。
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