元親×元就

□LLAD 親就ver
1ページ/2ページ

「…元親」
「何だ、元就?」
「邪魔だ。離れよ」

机の前で正座している元就は腰に抱きつく元親をベシッと叩いた。
抱きつかれているせいか体が傾いて思うように文字が書けない。
これではすぐ終わる仕事も一向に片付かない。
さっきから同じように言っているのだが。

「嫌だ」

と、これだ。
全く言うことを聞かない。
これではいかんと思い、硯に筆を置いて元親の腕を掴み力ずくで離そうとした。
しかし体格が明らかに元親より貧相な元就が勝てるわけもなく、
それは無意味な行動としか言いようがないものだった。
それでも元親を離そうと必死になる元就。

「何でそんなに離れたがるんだよ?」
「我っ、のっ…仕事…のっ……邪魔っ…………だっ!!」

思いっきり力を入れているからか声が途切れ途切れだ。
元親は面白くなさそうに唇を尖らせた。
しかし必死な様子も可愛いな…なんて思いながら涼しい顔で元就を見ている。
ため息一つついて元就の言うとおり手を腰から離して、
今度は首元に抱きついた。

「元親!!」
「仕事より俺を優先してくれよ」

耳元で囁けば、元就は肩をピクッと震わせた。
声の感じから元親が拗ねていることは明らかだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ