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□硝子玉遊戯
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「慶次にいちゃーん」

名を呼ぶ可愛らしい声に振り向けば、桃色の着物を着た女の子がパタパタ駆けてきた。

「よう、りん。どうした?」

りんとは宿屋の娘だ。
慶次が悪戯をして前田の家を出ては、近場にあるその宿屋に毎回厄介になっている。

「あのね、これ慶次にいちゃんにあげる」

そう言ってりんは手に持っていたものを慶次に差し出した。
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