.
□独占欲
1ページ/5ページ
「も…本当、信じらん……ないっ」
佐助は荒く息を吐いた。
吐く息に熱が込もっているが、走ったわけではなさそうだ。
額を伝う汗を拭い廊下にしゃがみこむ。
授業中なので誰もいない。
コツン…。
足音が聞こえ顔をあげれば、佐助は嫌そうな顔をした。
「片倉…先生」
「今は授業中じゃないのか?」
佐助の座っている隣が自分の部屋。
小十郎はそれ以上何も言わず部屋に入ろうとしたら、佐助にズボンを掴まれ止められた。
「先生が、したんでしょ……責任とって、よ」
見上げてくる潤んだ瞳に小十郎はニヤッと笑みを返した。
「次からは気をつけるか?」
「気をつける……気をつけるからぁ、先生」
「約束は守れよ」
力の入らない佐助の体を抱え部屋に入り、鍵をかけた。