日々草

□なな
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「よっと」


屍の山から降りてきたその人はこっちに歩み寄ってくる。

え、不審者の次は不良さんですか?

でも別にたまたま私の方に歩いてきてるだけでオメーには興味ねーよどっかいけ的に無視されると思うし……!


「オイ」

「……」

私じゃないし。どっかの人に声かけてんだろーし、仲間とか。


「……オマエ」

「……」



うん違う違う。そうだよ私不良さんに絡まれる様なこと何もしてないし。はるかちゃんいい子だし。

不良さんは私の真ん前。そのまま私を素通りしろっ!


「……」

「ふぎゃっ!?」

頭わしづかみにされたァァァ!!




「俺を無視するなんていい度胸だネ」

「やっぱ私ですよねぇぇぇ!悪気はないと思うんです離してくださいぃぃ!!」

「あと10秒ネ」

「なんで!?」
「いーーーち、にーーーーーい、」

「長いんですけどォォォ!?」
「冗談だヨ」


冗談に聞こえねーよ!!

「痛かったー……」

離してくれた頭を手で擦る。

近くにいるから分かる不良さんの容姿。
明るいオレンジっぽい髪はおさげになっていてそれが夜風にふわりと揺れている。


ぶっちゃけ言うと女のコに見えないこともない、つか可愛いなこの不良さん。

ほんとに男なのかな?あ、失礼かコレ。すんごい握力強かったしまず屍の山つくれる女のコはいな……うん、いない。




「……不良さん、女のコみたいですね」

あ、やべ言っちゃったよ。
だってほんと可愛い。

「は?」
「イタタタタッ!!」


まぁこうなると思った!!こうなると思ったけどね!!
でも頭ミシミシいってるのにはビックリかな!!!

「俺は男だ」

「わわわっ!知ってます!!でもつい口が滑って、」

「ん?どーゆー意味かナ?」

「ごめんなさい!」

謝ったらあらびっくり、直ぐに離してくれた。

実はこの不良さんいい人だったり?

って違う。

ここら辺で逃げとかないと私何やらかすか分かんない。



「そ、それじゃ私はこの辺で――っだぁ!?」

「ってェ……」

「ぴゃあぁ!?ごめんなさいィィィ!!!」




振り返って走り出そうとしたらいつの間にか後ろにいた人に頭突きしてしもたァァァ!!

なんか怖そうだったァァァ!!!

……もうやらかした。早いよ、バカ。

頭突きしてさらに混乱したためとりあえず逃走。







(不審者よりもあの不良さん達の方が怖かった……!)


(なんか面白い奴だネ)

(イテェ。つかアイツ……)






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