日々草
□さん
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「――へぇ〜、神楽ちゃんちってここなんだ。学校と結構近い、のかな」
「そうアルヨ!!はるかの家はどこネ?」
「あー私はもちょっと遠いかな。そーだ、今度遊びに来なよ!神楽ちゃんなら大歓迎!!」
「ほんとアルか!?」
あのあと、何故まだ学校に残っていたのかと訪ねると私と一緒に帰るためだったらしく、私はそこで完璧に覚醒しどもりながらも勿論だ、と返事をした。
そして今は神楽ちゃんと少しだけ対談して分かれ、改めて帰路についている。
帰路、と言っても正確には少し違っていて家につく手前で道を曲がりスーパーに向かわなくてはいけないのだが。
なぜなら私は一人暮らし。
何故かと言われるとまぁ、そこは省略させていただこう。
一人で歩いているのだから自然と考えることが多くなる。
例えば、今日の学校のこと。
何より印象深かったのは転校一日目でそれなりに友達ができたこと。
皆フレンドリーだったので話しやすかったし、話すたびに楽しかった。(私はその貴重な時間をほとんど寝て過ごしてしまったけど)
実際あちらが私の事をどう思ってるかなんて知らないし考えるだけ無駄だと思うから、わざわざ自分からネガティブ思考になることなんてしない。
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スーパーにつくと適当に栄養補助食品のみをカゴに放り込む。
主婦や店員からは「どんな食生活してるのこの子」という目で見られたけどそう思われるには仕方ないくらいの量だったので特には気にしなかった。
再び外に出るとなんともいえない微妙な気温で思わず顔をしかめる。(なんかじっとりしてるなぁ、やーな感じ)
ふ、とパーカーのポケットから除く携帯からオレンジ色の光が見えた。
メール着信と同じ意味のその色。
メールをひらくと件名に今日覚えたばかりの名前が記載されていた。
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5/1
18:49
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件名:妙です。
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これからの学校生活、連絡できないと不便だろうと思い勝手に登録させていただきました。
放課後に言おうと思ってたのに忘れちゃって…
ごめんなさいね。
困った事があったら言ってね。
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「…わぁお」
マジか妙ちゃん。
そういや携帯拾ってくれてたなぁ妙ちゃん。その時か。
「…ははっ」
(じゃあさっそく明日の教科教えて、っと。寝てたし知らないんだった)
(無意識の内に足取りが軽くなっていたなんて、私は知らない)