日々草

□ろく
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「……あーめんどっ」

「ごめんて。でもサド王子が悪化させたんだよ絶対」

「オメーの足が脆すぎるんでィ」


「その脆い足にトドメをさしたのは貴方だ!!」


体育の授業終わりになんだかんだでサド王子におんぶしてもらう事に。酷いんだよサド王子ったら、立てないっていったら「へぇ」としか言わないで立ち去ろうとしたんだよ。

だから全力で頼み込んでOKもらったと思ったら首輪つけようとしたんだもん意味わかんね。

で、拒否しまくったら「今度なんか奢る」っていう条件付きで保健室まで運んでもらってます。

めっさ文句言われるけど。

これもきっと優しさ、痛みをまぎらわしてくれてんだよ。うんきっとそう。

「重ェんだけど何キロあんの?」

「おも……!?なっ、ばっ、」


……きっと優しさ。


「胸全然あたんねーし」

「むっ……!?ち、小さくて悪かったね!?」

「全くだ」



……きっと優しさ、な訳あるか!!!
なんなの!?もうホントなんなの!?

さっきから言わなかったけど君ほとんど腕に力いれてないでしょ!?お陰様で私ずっと落ちそうなんだけど!ほとんど自分の腕でしがみついてるから落ちないだけなんですけど!?

「……あ」

ふと気がつけば保健室の前。
サド王子は片足をドアの端に引っ掻けてドアを開けた。まぁ、スライド式のドアだから軽く力いれただけで勝手に開いてくれるのだが。

ドアを開く際サド王子が片足を上げたもんだからちょっと傾いた。ら、体制が崩れてさらに腕がキツい。



「わ、まってまって、おおお、落ちるっ」

「落ちろ」

「ぅえっ!?」


なぜそこで私の腕を払う!?

落ちる先は床。絶対痛いってー……。



「……ありゃ?」



と思えば痛みは来ない。

むしろ体全体がふわりと優しく何かに包まれた感じがした。しかも何処と無く良い匂い。




「ばーか、ベッドの上でィ」

「え、あ、ホントだ」

「つか保険医いねェのかよ、つかえねー」

「そー言わずに」

「……あァ、でも好都合だ」



その言葉に私が疑問符を浮かべればすぐに答えが返ってきた。




「サボる」

「あー……」




納得。






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