日々草
□いち
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「初めましてなんちゃら先生!なんで教室までつれてきてくれなかったんですか!!」
「いや、忘れてたわけじゃないんだよ?先生もいろいろ忙しくてさぁー。まずはるかチャン昨日会ったよね?なんで初対面っぽいオーラだしてんの??」
「まぁソコは割愛です!ていうか私皆とまだ話せてないので話して良いですか」
「……よーしお前らー、なんか喋ってやってー」
その言葉で転校生に突進していくクラスの奴ら。
否、女子。
でもあのチャイナとか団地妻とかの表情、アレおかしくね?
殺気だってんだけど。
「オイィィィ転校生!!お前パーカー着ちゃってアレか!?初日から目立ってヒロインの立ち位置奪おうとしてるアルかァァァ!!」
「うぐっ!?」
「ハッ、残念ダッタナ!ヒロインハコノ私、キャサリンサマッテ決マッテンダヨ!!」
がっくんがっくん。
そんな揺さぶってやんなよ転校生目ェまわしてんぞ。
なんて最悪に丁寧なもてなしだろうか。
「あああのあの、ヒロインの立ち位置なんて狙ってないし狙うつもりないから!!そんなことどーでもいいからそのぐるぐるメガネ外してよ!?私は貴方が超絶カワイイと見た!!」
え、
「……フン、そこまで言うなら見せてやるネ」
おされてんじゃねーかチャイナ。
チャイナがまんざらでもなさそうにメガネを外すと同時に転校生はフリーズ。
静かになった転校生に自然と視線が集まった。
「あ、」
「……えっと、はるかちゃん?大丈夫?」
志村姉が声をかけるも無反応。
そのうちに転校生はみるみるうちに顔を真っ赤にした。
「あ、あ、あ、かっ、かわっ、カワイイィィィイィ!!」
「あったりまえアル、ネっ!?」
転校生はチャイナに抱きつき悶えてる。
それから抱きついたまま女子陣をグルリと見渡すとさらに顔を高揚させた。
志村姉の方を向いて
「美人ッ!!」
赤メガネの方を向いて
「麗しい!!」
極めつけには上をむいてガッツポーズをして
「このクラスレベルたっかいよっしゃァァァアァ!!!」
…まじか。