短編
□六角事件後
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月すら見えねぇ暗い空。
頼んでも無ぇってのに、近藤さんや土方の野郎…それからザキまで。
俺を助けに来やがった。
それから神山。あいつは論外、あり得ねぇ。万事屋の旦那達まで連れてきやがった。
これは俺の問題であって、何事もなかったかの様に終わらせて屯所に戻る予定が……大失敗。
まぁ…でも、あの時既に俺は限界だったわけだし。
現にあの事件後俺は奴らの前で派手にぶっ倒れた。
その後は憶えてねぇが、多分近藤さんが運んでくれたんだと思う。
目ぇ覚ましたら皆が居た。近藤さんと土方にこっぴどく怒鳴られた。(近藤さんは“無事で何よりだ”と、終始泣いていたが)
特に土方の野郎には軽くげんこつを食らった。病み上がりだってのに痛ぇっつーの。
後で必ず1000倍返しにしてやる。
……ただ、反省してる部分だってほんのちょっとくれぇある。
少し勝手な行動取るだけなのに奴らは放って置いてくれない。
まぁこの調子だと、俺が死んだら泣いてくれるようなお人も少なくなさそうだな、とか考えて……ちょっと微笑んだ。
こんなこと、
格好つか無ぇんで死んでも口にはだせねぇが…
柄にもなく
死にたくねぇって思った。
こういう馬鹿な大人どもの為に、まだ生きなきゃなんねぇーって。
end