BOOK

□Call my name.
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「じゃあバニーちゃんはご自由にどうぞ!ハァァァ!!」

「ちょっと待ってください」

「んだよッ!」

「聞き違いでなければ、今、僕の事、バニーちゃんって…」




その名前で呼ばれるのは何年ぶりだろうか。
脳裏に浮かぶのは彼女の笑顔。

こんないけすかないおじさんに彼女に呼ばれていた愛称ででなんか呼ばれたくなんかない。




なのに、このおじさんときたら、





「ピョコピョコ跳ねてお耳が長い、可愛いウサギちゃんみたいだな!」

「僕はバニーじゃない!バーナビーです!!」

「ボクはバニーじゃナイ、バーナビーでスッ」

「そんな言い方はしていないッ!」

「そんな言い方はしてイナイッ」




僕の事を馬鹿にして。
なにがベテランヒーローだ。

こんなおじさんにじゃなくて、彼女にまた呼んでもらいたい。






《…バニーちゃん…》






…嗚呼、でも今度はちゃんと名前で呼んでもらいたいな。





「さて、そろそろかな」







Call my name.

(僕の名前を呼んで。)






(『あれ…今誰かに呼ばれた気が…』)

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