BOOK

□It is dear.
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いつもなら、絵を描いたり一緒に遊んだりする時間。
でも今日はテレビに釘付けで前から動こうとしない。


……ちょっと寂しいな。


子供向けの番組でも見てるんだろうと思い、そっとしておくことにしたのだけれど、やっぱりちょっと寂しい。
まるでこっちが構って欲しい子供みたいだ。

なんて1人で笑っていると、くいくいと袖を引っ張られた。




「お母さん」

『どしたのバニーちゃん?テレビはもう終わったの?』



ちょっと嬉しくてついつい声のトーンが上がってしまう。



「うん、ねぇお母さんちょっとしゃがんで?」

『なんで?』

「いーから早く!」



なんて言われるものだから、要望通りにバニーちゃんと丁度目線が同じ高さくらいまでしゃがんであげると、



「じゃあ、目つむってて」

『?』

「早く!」

『はいはい』



この子は一体何がしたいんだろう?

なんて考えながら目を閉じると、ホントに閉じてるか確認しているのか、目の前で息がかかる感覚がするのと同時にーー…






ちゅっ






『へ…?』





頬っぺたにキスされ驚いて目を開けると、ちょっと恥ずかしそうなバニーちゃんの顔があった。




「今日はね、きすの日ってテレビで言ってたから…」



と言って、ぎゅううと抱きついてきたからもう思いっきり抱き締め返してしまって、「くるしい…」と言わせてしまった、ごめんなさい!




「お母さん大好きだから、もっとおっきくなったらこんどはここにするからね!」




ちょんちょんと唇をつつかれ、悪戯っぽく、でもちょっと頬を染めて笑うものだからこっちまで赤くなっちゃって。




『じゃあ、楽しみにしてるね?』

「うん!!」









It is dear.

(親愛なる)


(『将来はモテモテの大物になりそうだ』)

(「??」)

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