BOOK

□I do not want to still part with you.
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『もういいか―い?』

「も―い―よ―!」





バニーちゃんが熱を出して早3日。
大分元気にはなったものの、念のため外には行かず家の中で出来る遊びをしている。

かくれんぼなんて、何年ぶりだろう。

もしかしたらバニーちゃんより自分が楽しんでるかもしれない。




『バニーちゃんどこかな〜?ここかな〜?』




ソファの後ろやテーブルの下、カーテンの後ろなどくまなく探す。

洗濯機の中.....いない

バスタブの中.....いない

ベランダの外.....いない

リビング.....いない

どこにも、いない



『バニー、ちゃん……?』



一気に不安が押し寄せて来る。


最初にバニーちゃんと会った時、住んでいる場所も、名前も知らない、別の世界から来たような…多分、もしかしたら本当に別の世界から来たのかもしれないけれど。

朝起きたら横に知らない、金髪ブロンドヘアーの少年が寝ていた。それがバニーちゃん。
最初は混乱したのか泣いてしまって中々泣き止んでくれなかった。抱き上げて優しく背中をさすってあげると落ち着いたのか泣き止んでくれた。
そこからどこから来たのか聞いて見ると"シュテルンビルト"と言ったのでそんなアパート名なんかあったかと思って考えていたのだが、どうやらアパートではないようで、都市だそうだった。
でもそんな都市は聞いたことがなかったし、でも必死に話す少年が嘘をついてるようには思えなかった。

話を聞いていると、この少年の両親は…

それから、一人にするわけにもいかなかったから一緒に暮らして過ごして行くうちにだんだん解けていって、「お母さんって呼んでもいいよ?」って冗談で言ってみると嬉しかったのかすぐに呼び名がお母さんになってしまったものだ。

そのせいか、いつかは別れがくるって分かっていても情を入れてしまう。
別れるのが辛くなるだけって分かってるのに。



『バニーちゃん…!』





「お母さんっ!!!」



すると後ろからぎゅううと抱き締められた。
後ろを振り返らなくてもわかる。



『バニーちゃん!よかったぁ
…中々見つからなくてお母さん焦ったよ』



帰っちゃったのかと思ったよ!



「あのね、かくれてたらからだがね…!」



半泣き状態で早口でそう告げてくるバニーちゃんの身体を見てみると、微かだが透けていた。

そんな、本当に…?





I do not want to still part with you.

(まだ君を手放したくない。)



(「いやだ…いやだよ…!まだお母さんと一緒にいたいよ…!!」)

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