BOOK
□Good night, it will surely be fine tomorrow.
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いっぱいはしゃいで、いっぱい遊んで、いっぱい寝た後は……
『38.6…』
「うぅ〜…」
今にも泣きそうな顔でベッドで横になっているバニーちゃん。
まぁお約束と言ったらお約束なんですけどもね、いっぱいはしゃぎすぎたのか高熱を出してしまった。
『お粥と、何か飲み物持ってくるから、バニーちゃんはしっかりお布団被ってちゃんと寝てるのよ?』
そう言い残して台所へ向かい、お粥を作り始める。
ーートントントンッ
手際良く料理を作っていると、足元に違和感を感じ、足元を見て見ると…
『バニーちゃん⁈』
「…………」
ぎゅうううううと効果音のつきそうな程強く足に抱きついているバニーちゃん。
一体どうしたものか…
『コラ、ちゃんとお布団の中に入って寝てなきゃダメでしょ?』
「………」
『聞いてる?』
「………だって、」
『……?』
「お母さんが…どっかいっちゃうような気がしたんだもん…」
そう言うと、今まで我慢していたのだろう波が次々と溢れ出る。
風邪とか引いて熱出した時には、何でか無性にさみしくなるんだよね。
『ごめんね、バニーちゃん1人にして…。でもお母さんは絶対どこかに行ったりしないよ?』
「ぐすっ…ほんと?」
『うん、ほんと。約束破ったことあるかな?』
「ううん、ない」
『でっしょー?だから、ね?』
「……うんっ」
ようやく笑顔を見せたバニーちゃんを抱き上げ、部屋へ向かう。
ベッドへ降ろして、肩までしっかり布団をかけて、自分はサイドの腰掛けに腰をおろし、まだ小さいバニーちゃんの手を握った。
『今度は寝るまで一緒にいてあげるから、おやすみ』
微笑みながらぎゅっと手を握ってやると、いつもより弱い力できゅっと握り返してくれる。
「おやすみ、お母さん…」
『おやすみ、バニーちゃん』
Good night, it will surely be fine tomorrow.
(おやすみ、きっと明日には元気になってるよ。)
(「(すやぁ…)」)
(『ご飯どうしよう…』)