BOOK2
□It was deceived!
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「なぁ和葉、目閉じて」
『な、何急に…』
「いーから!」
何を考えているんだろうか、このおじさんは。
ここでぶっちゃけてしまうと、私、和葉はこの、目の前にいるおじさんの事を好いている。
大好きなんです。
え? どこが大好きかって?
………あれ、どこだろう(←
「ほら、早く!」
『何で目閉じなきゃいけないの?』
「何でってそりゃお前……っだ、言ったら意味ねェーだろ!」
『じゃあ閉じない』
「い、いいことだ!」
『いいこと?』
「そう、いいこと!」
『さようなら』
「まてまてまて(汗)」
本当に何を考えているんだこのおじさんは!
いいこと? いいことって何⁈
もしかして、キ……
『……ちょっとだけですよ?』
「おうちょっとでいい!」
『じゃあ……はい』
言われた通りに目を閉じるも、一向に何もしてこない。
待ちきれなくなって目を開けようとすると…
「こしょこしょこしょ〜‼︎」
It was deceived!
(騙された!)
(『えっちょっ、あはははははははははははははっ!』)
(「どーだ、騙されただろっ」)
(『おじさんのバカ! もう嫌い!』)
(「え、ええええええ〜〜‼︎⁉︎」)
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