赤い狐が笑う頃に....

□#2
1ページ/2ページ

あれから.....何年たったのだろうか....

最後の茉莉さんの笑顔は今も鮮明に残っている

僕は今でも、茉莉さんのことが忘れられない

僕が悩んでいると

「どうしたの?」

と声をかけてくれた茉莉さん

ここに来る度に

君はもういない

と嫌でも知ることになる

だけど

毎日、毎日

この廃校になった学校を訪れることを僕はやめない

あの教室に行くといつも君が居て

「歌詞さん」

と声をかけてくれることを願いながら教室に入る

すると......

「.....また、君にここで出会えると信じてたよ

歌詞さん」

そう言って

微笑む茉莉さん

一瞬、自分の目を疑った

だけど

君がこちらによって来て

また、前みたいに僕の頬に触れたとき

あぁ.....これは現実なんだ

と実感できた

「歌詞さん.....また会えてよかった....」

そう言う君は涙を流していた

「ずっと、ずっと歌詞さんのこと待ってたんですからね.....?」

「僕だって....ずっとずっと

茉莉さんのこと待ってたんですからね?」

そう言って

君を抱きしめた.....

これは、赤い狐の仮面を被った少年と

黒い猫のお話

ふたりはまた、出会えた

一度別れてもまた出会う

それが、僕らの

運命なんです

ーENDー
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ