銀河の涙
□第二章
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我が身の中心を貫く、空洞(あな)
の中に、彼女が消えてしまってから、どれほどの時が過ぎただろう。
彼女の鈴の音のような声も、眩い光も、透き通った瞳も……温もりさえも、未だ鮮明なままだ。
だが、長い長い時を過ごしたように感じる。
彼女の事を考える度に、私は独りだと実感せずにはいられない。
そして、やっと理解できた。
泣き喚くだけしか出来なかった、光の子の気持ち……砕け散ってしまった、光の子の哀しみを……。
……「理解」したと言うと、少しおこがましい。
あの光の子の哀しみは、あの子だけのもの。
決して、誰にも理解など出来ぬのだ。
―――だが、想像は出来る。
襲い来る感情の波を、身をもって体験した者ならば、誰にでも―――。
哀しみや、寂しさや、怒り……。
まったく同じものなど無いが、その感情がどういうものかは容易く想像出来るはずだ。
しいん、と静まり返った銀河の中で私は、「私」と向き合っていた。