エウテルペの溜め息


□《涙の海》
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人込みの街を捨て

誰もいない海で

一人で泳いでみた



海の中は

とても静かで


波は あたたかくて


時間の感覚さえ

忘れてしまうほど


すべてが

ゆったり 流れていた




波と空気が動く

その音だけで



体の重さも

忘れてしまって



――私は海に溶けた
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