あいの詩


□V:曖の詩
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【Departure】



『会いたい』と

口にするのは簡単だけど

簡単に会えない現実に

淋しさを募らす言葉は

貴方を困らすだけだから

強がって平気なふりをする


『愛してる』と

口にするのは簡単だけど

愛情だけでは

生きていけない現実を

知ってしまっているから

溺れないように

強がって冷静なふりをする




言葉は時にとても無力で

気持ちのままには

伝わらない事があるから

想いをさらけ出すのは

勇気が必要で


私はいつも 声を失って

言えなかった

言葉の重さに

一人 涙を流す




どうしようもない不安や

眠れないほどの淋しさや

触れたいと思う衝動や

日々つのる愛情は

私をがんじがらめにして


苦しくて 苦しくて

弱音を吐きそうになる




弱い言葉は

心も弱くするから

やっぱり私は

何も言えないままで

強がってしまう




この苦しさの意味が

貴方を愛している証ならば

それはとても 尊いもの


愛するが故に

生まれる感情は

少しずつ 私の糧となり

強がりや苦しさを

乗り越えられる

力をくれる



貴方が望む愛の証を

この手に掴めるように


弱い自分の影を見送る

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