男愛
□黄瀬誕!!
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○from緑間っち○(緑間)
「黄瀬、ちゃんと問題、解けているのか?」
「解けてるっスよ。」
さっきから言うチャンスは何度もあるのに
言えない。
なぜなのだよ…。
「そろそろ帰るっスか?」
「あ、ああ。そうだな。」
二人並んで無言で歩く。
今、言える雰囲気なのに… 言えん。
そんなことを考えているうちに別れる場所に
なってしまった。
「じゃあ、また明日っス。」
心なしか黄瀬の顔が寂しそうに見えた。
当たり前だ。明日はもう違うのだから。
だから俺は後ろ姿に向かって言った。
「誕生日、おめでとう、なのだよ。」
一瞬立ち止まった気がしたがまた歩き始めた。
今、どんな顔をしているのだろうな。