夢本
□ポケット
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*次の日*
私は最悪なものを見てしまった。
赤司と新しい彼女がキスしているところ。
「っっ!!」
わかっていたけど苦しい。悲しい。辛い。
そう思っていたら、いつのまにか黄瀬のことを待っていた。
「えっ!?杉浦っち!?
どうしたんスか。こんな寒い中…。」
「黄瀬…。」
「もしかして、俺を待ってたんスか?」
そう言って私の手を握る。
「冷たっ!!どんだけ待ってたんスか。」
そして自分の上着のポケットに突っ込んだ。
「これであったかいっスよね?」
「…。」
無邪気な顔で笑う黄瀬。
そんな黄瀬を見て、
「黄瀬。」
「ん?なんスか?」
「…好きだよ…。」
黄瀬の顔が一気に赤くなる。
(あ、赤司の髪みたい…。)
結局、赤司のことは忘れられない。
でも黄瀬なら…
そう信じて…