夢物語(長編)
□始まり
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暗闇の中、一台のタクシーが運転手とユイと刹那を乗せて静かで不気味な道を走っていた。
運転手「お客さん、どうして神無町のはずれの方に行くんだい?」
運転手は不思議そうに尋ねた。
刹那『父が転勤で外国の方に行ってしまって。僕達二人は日本に残って、父に言われた親戚の家にお世話になる事になったんです。』
苦笑いをしながらは答えた。
運転手「そうだったんか。大変だな。学校も変わるんかい?」
刹那『はい。○△高校から嶺帝学院高校に変わります。』
刹那の返答を聞き、運転手は驚いたように言った。
運転手「芸能人やセレブが通う夜間学校じゃないか!?こりゃたまげた。」
そうこう、話しているうちに目的地に近い所に着いた。
刹那『ユイ着いたよ。起きて。』
刹那は気持ち良さそうに寝ていたユイを起こすため声を掛けた。
ユイ「着いたの?」
眠たそうにユイは尋ねた。
刹那『少し前に着いたよ。少し歩くけど歩ける?』
刹那は心配そうに尋ねた。
ユイ「大丈夫、歩けるよ。先に行って挨拶してくるね♪」
笑顔でユイは答え、親戚の家に行きました。
刹那『ユイ!待って!一人じゃ危ないよ。』
刹那は、少し起こった口調で言ったが、ユイには聞こえなかったみたいだった。
刹那『夜で危ないのに。運転手さん幾らですか?』
運転手「3600円だよ。ところで親戚の家って、逆巻さんの家かい?」
刹那『はい。逆巻さん家にお世話になる事になっているんです。ご存知なんですか?』
運転手「知ってるも何も、地元じゃ有名だよ。お化け屋敷って言われているよ。」
刹那『お化け屋敷ですか?』
運転手「そう。噂じゃ住んでいる奴等全員ヴァンパイアらしいよ。怖いね。君も気を付けな。血吸われるかもよ。」
刹那『大丈夫ですよ。僕は男の子ですから。』
お金を払いながら、運転手さんに坂巻さんの家について教えて貰った。運転手は、男の子である事に驚いていた。
運転手「男の子だったのかい!?てっきり女の子だと…。すまないね。」
運転手は、申し訳無さそうに言った。
刹那『謝らないで下さい。慣れてますから。』
刹那は気にしていないようだ。
刹那『色々、教えて頂いて有り難う御座いました。』
運転手「いやいや。いいよ、いいよ。じゃあなっ!」
運転手を乗せたタクシーは闇の中に消えていった…。
刹那『早く行くかないと。』
刹那は走って逆巻家に行った。