魂導く灯の偽物
□第二話
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ここは神代、黄泉。
『さてご覧あれ、中の瓜は見事無傷…あれ?」
普通に瓜がずちゃずちゃに。
おかしいなぁ…上手くいく筈なのに…
「そりゃこうなるよ。」
「百合、お前何がしたいんだよ。」
──上手くいく筈なんだけどなぁ…?
『理屈では上手くいく筈なんですけど…
蓬さん、ちょっと中に入って「嫌だよ!」」
流石に入るのは嫌らしく蓬さんはすごい勢いで後ずさっていく。
「百合、お前いっつもおかしなこと考えるな〜?」
ケラケラと笑いながら言う烏頭さん。
『昨日は成功したんですよ?
みずらおやじ危機一髪。」
「百合ちゃん百合ちゃん、それ亡者だけがなせる技…ι」
『うーん…では、鳩や火を使って…」
「もういいよー…他のヤツしよーよー…」
『楽しくないですか……?」
「…っ!!!別に楽しくない訳じゃないけど!
ただ他にやりたいことがあるだけだし!」
「(………烏頭が報われない。)」
この遊びはどうも楽しくないらしく烏頭さんが他の遊びをと言い出した。
──蓬さんは何故あんな隅っこで微妙な顔してるんだろう。
《報われねぇな。》
──何か言った?
《いんや、なーんにも?》
──ふぅん。
「あ!!」
「『???」」
名案だとばかりに顔を輝かせる烏頭さんに耳を寄せる。
「こっそりさ、現世に遊びにいっちゃおうぜ(ヒソ)」
「現世!?いいの!?………あ!
こないだ言ってた花ばたkムグッ!」
蓬さんがハッとして言おうとした言葉を、烏頭さんが顔面蒼白で黙らせた。
「なんでもない!」
『あの、黄泉からでるのは禁止ですよ?
どうやって行く気ですか?」
「それを考えんのがお前の仕事だよ!」
──超、勝手気儘。
『勝手なことを言いますねぇ…」
仕方ない、考えてみましょう。
『…自由に現世と黄泉を行き来できる神獣の類に取り入るのが一番だと思います。」
「よっしゃ、じゃあその神獣探しに行こーぜ!」
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場所は変わって人の多い市場。
「な〜…
やめようよ、バレたら怖ぇーじゃん。」
蓬さんが情けない声を出した。
──男の子でしょう、情けない。
《いや、お前そりゃキビシーぞι》
『こそこそするからバレるんです」
「じゃあ堂々とすりゃいーだろ」
『因みに、ちょっと悪いことするときは能力以上に性格で人材を選んだ方が良いですよ。」
「百合…ι」
烏頭さんが市場の人混みの中でスッと息を吸い、
「神獣ーーッッ!!!居るーー!?「ちょっ、お前ら!?」美人に興味ない!!?」
《普通に考えて出てくるわきゃねーだろ。》
「ある」
神獣が良い顔して機敏に出てきた!!!
「食いついたっ!!!?」
「使えるぞあの男!」
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