鬼火は丁と浅葱に
□第四話
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侵入者用のアラームと言っても大袈裟な竹のカラカラ鳴るような罠だが。
「あれ?竹のやつ無いな?」
『あれ?ほんとだ。」
「…片付けておきました。」
鬼灯が!?
『相変わらず賢いね、鬼灯」
「アナタは少しも変わっていない」
『むっ……、これでも少しは成ちょ「ここからは別行動にしましょう。」えっ、ちょ?」
「噂の一つ目、奇怪な鬼は篝さん達に。
二つ目の、先生が職員室で何してるかは今後の悪戯に応用します、烏頭さんと蓬さんが。
三つ目は私と浅葱で。」
“どうせつまらないでしょう、髪の長い女が何だと言うのですか。”
と鬼灯が補足する。
「あぁーーー!!!
鬼灯、浅葱さんと二人き(もごっ)」
何かを叫ぼうとした烏頭さんの口を篝がふさぐ。
「んんーーっ!んーーー!」
その怪力はやっぱり半端無いようで、抜け出せずにもがく烏頭さん。
「ごゆっくりどうぞ、鬼灯さん?」
意味ありげにニタァーっと笑い、烏頭さんを引きずり蓬さんを引き連れ、去っていく篝達。
どうしたんだろ…………?
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二つ目の噂、職員室付近にて。
「鬼灯のやつ…ぜったい彼女だろあれは!
…ま、まぁ、羨ましい訳じゃないけどな!」
烏頭がぶつぶつ言いながら歩き、その横をちょこちょこと蓬が小走りに追ってきている。
その時。
(がたん、がたがた、ごとごと)
「「!!?!?!?(なっなななん何か居るぞ!?)」」
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一つ目の噂、奇怪な鬼を探して。
「鬼灯くん、上手くいくといいな。」
「え?篝、どういう意味?」
「何か作戦でもあったんですかぁ〜♪?」
「いいや、時期にわかるさ。」
その時だった。
「きぃっときぃみーはー、こぉーなぁーいー…」
小さな教え処の隅、謎の鬼女が屈み込んで呪詛を吐き散らしていた。
「奇怪な鬼って………………」
「「「葛先生のことか!/なの!?/だったんですかぁ〜?♪」」」
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三つ目の噂、髪の長い女……もとい鬼灯と浅葱。
「…………私は、浅葱が変わっていなくてホッとしました。」
その予想だにしなかった回答に私は呆けた。
そして次に自分が愚かに見えた。
何だかまた涙腺が緩くなってきた。
『私、も、鬼灯が変わってなくて嬉しかったよ?」
「!!!!」
『本当に…居てくれて良かった。」
またポロポロと涙が出てきて、鬼灯はまた頭を撫でる。
私は鬼灯の胸に顔を押し付けて泣いた。
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「結局先生に夜に来んなって怒られちゃって…ι」
烏頭の報告
「奇怪な鬼の正体ってのが毎晩毎晩彼氏に降られ続けてる葛先生だぜ。」
篝は鬼灯と私を見てニヤニヤしながら報告。
「葛先生…ι」
蓬さんが苦笑した。
「ふふーん、ところで鬼灯くん、首尾はどうだ?」
肘で小突いて問いかける篝。
………??なんで篝そんなに楽しそうなの?
「ああ、篝さん。
ありがとうございました。」
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「へぇえ〜?そりゃ良かったな」
?????????????
何で二人とも嬉しそうなの?
「はっ……!!!!
鬼灯まさかこれお前の策りゃ…むがもご!」
叫ぼうとした烏頭さんがまた篝に口封じされた。
『え?ちょ、皆何が見えてるの!?
何がどうしてそんなに楽しそう!?」
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(これはその先への第一歩)