終盤への半鬼

私には誰にも言えない秘密がある。禁忌の秘密が…

私は吸血鬼と人間の間に生れた半吸血鬼。
人間場離れした敏感な感覚と運動神経。そして喉が焼け爛れる渇きが時折起きて人間の生き血を欲する。

学園で一人ぼっちの人離れな私を物好きに一人だけ側に居てくれた少年がいた。私が半分吸血鬼でも大好きだと言ってくれた男の子がいた。

けれど私が母親の急死で百夜孤児院に引き取られ、禁忌の人体実験にされてからその少年に会えなくなった。
ずっと会いたくても会えない、彼に会いたい、痛くて苦しい実験にもがきながら、自分が益々人間でも吸血鬼でもなくなっても、長い長い年月が過ぎようとも私は待ち続けた。
百夜教から抜け出す時を、彼に会う機会を得るためを…
そして私が20代になった時その時は来た。

今から会いに行くよ……!
シンヤ――…

イメージ曲 大事なものは目蓋の裏

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