短編

□隣が寂しいブランチ
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友人が帰った。いや、正直ワシもまだよう理解しとらん。

なんやわからんけどもちっさい時から一緒に居ったソイツはこの間急に帰らにゃならんて言うてぼろぼろ泣きよった。

なんやアレやなぁかぐや姫みたいな話やなぁて言うたらそれでいいとか抜かしよってさっき目の前で光って消えた。

笑って消えよった。

なんとなく思い返すとや。なんとなくやで?なんとなく…やっぱり、って思ったんや。

何でやろな。出会いが奇抜やったからやろか。

竹から生まれたとは言わん。そりゃほんまにかぐや姫やで。それやったらアイツ月に帰ったんかいな。

脱線した。アイツと会うたんは村の外れや。妖食界は即ちグルメ界や。ただの貧弱なちっさい子供が来れるはずないねん。

それでもソイツはただの貧弱な人間で。子供で。ほんまに驚いたのを覚えとる。
そんな出会いやったから、やっぱり、って思ったんやろな。

そんで行くとこ無い言うてワシについてきて。そう考えたらあれからずっとアイツはワシの隣に居ったんやな。

…居らんやないか。

いやまぁ、せやな。帰ってもうたからな。…どこに。

そういえば聞いとらんで。けどアレや。聞いたところで届きそうになさそうやけどな。あんな別れ方したら。

月と同等もしくはそれ以上。きっとそんくらい遠くに帰ったんやろ。おそらくもう会えん。

気がついたらもう真上にキラッキラのお月さんが浮かんどった。帰ったのが昼前やし…ワシずっとここで放心しとったんか。

なんやアレやな。会えんと思うと会いとうなるな。隣に居らんだけでこんなにぽっかり穴空いたような感覚になるなんて思わんかったわ。

そう考えるとホの字やったんやろか。いや、うん、そうかも知らん。

ちっと認めとうないけどな。ホの字か。あり得へん話でもないか。欲情はしとったし。

…腹が鳴った。考えんのやめよ。何か食ってからにしたろ。そういや昼前から立っとるから昼食ってへんやないか。

…明日からどないしよ。生きては行ける。ただアレやな。なんとなく…物足りなくはなりそうや。

居らんのに名前呼んだりしてな。だっはっは。笑える。













笑えへんわアホ


(意味わからんわ、何やねんホンマ)













トリップして急に帰るやつ



2013/12/22

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