有益に利用したい

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コップを持ってきたジョージョーにマルはお礼を言って指を一本切り落とした。素手で。オイラもびっくりして一時停止。あ、え?なんて素っ頓狂な声が出て、マルはきょとりとオイラを見た。

コップに血が注がれはじめて、止まる。指生えてきた。早い。

なんか驚きが止まらない。素手で切り落としたのも、指が生える早さも、とりあえず規格外だ。うわー、なんてじっと見てたらコップがオイラに差し出された。あっちょっとマズイってそれ。皆に見えないようにクロマド様を指差して口パクで向こうが先、と伝えたらマルは小さく頷いてクロマド様の方に行った。


「どうぞ」

「ああ」


受け取ったクロマド様は特に表情も変えずに普通の血だな、と呟いて珍しく出席してるエルグに手渡した。エルグはその受け取った直後に露骨に嫌な顔をした。


「…」


そして無言でユーに手渡した。ユーは眉間に皺を寄せつつ片手で口を抑えてもう片手でそれをそのままジェリーに渡した。

ジェリーはその嫌がりように少しだけ驚きながら普通の血に感じると言った。首を傾げながらどのくらい気分悪いんだ?なんてユーに聞きつつコップをグリン様に渡した。

グリン様は残念そうな顔をして普通だな、と言った。あーあ、面白くねぇなー、とかって言いながらスター様にそれを渡した。

スター様はそれを流れ作業のようにトミー様に渡した。あ、駄目なんだな。

トミー様はボソッと美味そう、と呟いた。隣でそんなこと言われてぞわっとした。ていうかトミー様超かよ、どうしよオイラ普通に感じたら。やだな。

少しだけ下がり始めたテンションを知ってか、トミー様がにやりと笑ってオイラにコップを手渡した。

受け取って匂いを嗅いだ瞬間に涎が出た。同時に嬉しさが沸き上がる。

こんな美味しそうなの初めて見たかもしれない、ごくり、と唾を飲み込んだ。

するとボギーが不機嫌そうに早く寄越せと言った。つい吹き出した。頭叩かれてコップ奪われた。

ヤドカリメットを外してコップに鼻を近付けた。ボギーもオイラと同じように、喉を鳴らして唾を飲み込んだ。

っぶね、なんて言いつつそれをバリーに回した。バリーは普通だな、と言いながらママルにコップを返した。

オイラは超だったのが嬉しくて、その後の話あまり覚えてないんだケド、マルが言うにはそのあとトミー様が血を飲んだりしてすごいことになってたらしい。













ああよかった、隣にいる


(勧誘されることもなくてよかった!)

(あの血でトミー様が満足したとは考え難いが、まぁ、よかったんじゃねーの)

(ボギーも嬉しいくせに、いやーよかった。マルが本部勤務とか会えなくなっちゃうじゃん)

(まぁ…そだな(俺はお前とマキがいる方がやだよ))













負けそうな気がしてな。



2013/10/11

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