有益に利用したい

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「…、と、今のところわかってるのはこのくらい?です。」

「フーン結構使えそうだネ。居るんでしょ?つれてくれば?」

「え」

「は?」

「いや、トミー様珍しいっすね、つれてこいとか、」

「別にちょっと興味持っただけじゃん。いいから早く」

「あ、はい。」


わーやだな、よりにもよってトミー様か。

マルの説明を一通りして声を出したのがトミー様だったからか皆が特に止めもせずオイラに早く行けよの視線を送る。送らないのはボギーくらい。ボギーもやなんだね、わかるよ気持ち。でもお前には絶対にやらん。

致し方なく立ち上がって部屋を出た。


--


「え、もう?」

「うん。はぁ〜嫌だ。やだー、やーだー」

「そんな言ってもしょうがないよセドルー、死にたくないでしょ?私もセドル死ぬのやだよ、いこ?」

「…」


いこ?が可愛くてついむぎゅっと抱きしめる。あー、元気でた、いけそう。

よし、と一息ついて離れる。ぎゅ、と手を繋いでマルの顔を見ると微笑まれた。

それに返事をするようにオイラも微笑む。大丈夫、取られやしない!


「行こう!」

「うん!」


--


「それ?」

「はい。」

「えっと、mark、です。」

「マーク?」

「あ、はい。」


少しだけキョドりながらマルが名前を名乗る。マルでいいのに。マルって名乗っちゃえばいいのに。


「フーン…」


やっぱりトミー様がまじまじと見てる。あああ見ないで、オイラのマル見ないでえええええ!!


「ところで。」

「?」


トミー様に気を取られてたらユーが口を開く。不意だったのできょとりとしてしまう。


「本人が来たところで聞きたいのですが…その"体質”というのは誰にでも効くのですか?」

「体質…?」

「マル、ほら、あの、細胞のレベルが上がる奴。」

「ああ。」


そっか、そうだね、言ってなかった、なんて言ってマルが少し首を捻って考え始めた。

どう説明したらいいかなー、とか呟きながらいい案が浮かんだらしく頭上に電球マークが浮かぶような仕草をした。


「えっと、適合者、不適合者、超適合者にわかれてて、誰にでもってわけじゃないよ。」

「それはどう分類するのです?」

「分類…えっと、適合者は腕一本食べても大丈夫、不適合者は血とか唾液とか分泌液が食道通った時点で駄目で、超適合者は全部食べても問題なし。かな?」

「どうやって見分けるのですか?」

「血を前にすればわかるよ。えっと、適合者には普通の血、不適合者にはきっと不味いものに感じる…えっと、手で口を覆うくらいの気分の悪さみたい。超適合者は美味しそうに感じるらしいよ。」

「…そうですか、ありがとうございます。」

「ンじゃ、早速血用意してよ。うまくいけばボクたち強くなれるんでしょ。」

「え、ああ、はい。」


じゃあコップかなんか…とかって近くに立ってたジョージョーに声をかけてマルはどうやって切ろうかな、なんて思案し始めた。

にしてもマル、それ下手したらオイラ死んでたってことだよね?こわ…。

それでも適合者か超適合者ってわかってなんだか嬉しい。遠くにいるなってちょっと思ってたマルが急に近くに来てくれたように感じた。

皆に見えないように笑むと、隣のボギーからキモッって聞こえた。よし殺す。













そうだねすぐそこにいるもんね


(超だといいな。)

((あ、セドルと同じこと考えちまった腹立つ))













君が愛しくて苦しいねぇ。



2013/10/11

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