少女は捕食者が苦手

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「コツは特に無し!勘!!」

「そりゃないぜセドルさん、」


最初の師匠からひどい台詞をぶっこんでくれるものだ。勘ってなんです勘って。それじゃいつまでたっても進歩も何もないよ、


「まぁアレだよやってみないと始まらないし。」

「え」

「じゃーん、ヒャハ、見てこれ。」


ポケットから魚を取り出してにやぁと笑うセドルさん。…微動だにしていませんが、その子は生きていらっしゃるのでしょうか。

冷や汗がこめかみ辺りをつたう。そんな私を気にせずニトロくんはセドルさんの掲げた魚にぴょんぴょんと跳ねながらじゃれている。

それを器用に避けながらセドルさんが口を開いた。


「あ、本物じゃないからね。」

「マジですか。」

「マジマジ。」


ついぽろっと出たReally?の言葉にセドルさんは半笑いで頷く。

しっかし良くできた模型だなぁ。


「伊織がノッキング練習するって言ったらジョージョーを中心に色んな奴が手を加えて作ってくれてさ。」

「え、なんですそれ」


うわ、何だか嬉しい。そして同時に申し訳ない。私大して活躍できてないのに。


「練習でも、命を奪うの嫌なんだろ?」

「あ、はい。」

「だから、これで練習。これ、ノッキングのイイトコ変えられるんだよね。」

「…イイトコ?」

「うん。なんてーの、クリティカルヒットってやつ?」

「ああ、成る程。」

「それ探す練習しよ。」


…いや、基礎的なことを先にお聞きしたいのですが。


--


「意識は魚に。」

「っ、じゃあ、離してください、」

「え〜いいじゃんちょっとくらい。」

「いや、密着する意味が、」

「もうちょい下かな…」

「(耳元で話さないでいただきたい!!)」


水槽に水をはって魚の模型を泳がせながら実践開始。はいいのだけど。

納得いかないのはセドルさんが後ろから手に手を添えて、ほぼ私してないことと謎の近さかな!!

もうちょい下かなって、せめて私の手の力で下にやらせてください、私は操り人形か。

呼吸が耳に入ってぞわぞわするし、免疫ないから顔熱いよ!!

とりあえず普通にやらせてください!!













順風満帆なはずがない


((耳まで赤いや。))

((仕方ない、無だ、今の私は無だ。))

(…ここかな。)

(ひっ)

(…ごめん、伊織ノッキングして)

(はい、)













ちけーよ。



2014/01/15

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