少女は捕食者が苦手

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「具合はどうだ、伊織?」

「あ、おはようございますスタージュン様。」


腹を満たして自室に戻り、いつも通りに起床して。昨日のことが嘘のように調子の良い体。

それに苦笑いしながらニトロくんを撫でていると開いたドアから朝食と共にスタージュン様が入ってくる。

心配したような台詞に笑顔で元気ですよと言えばほっとしたように息を吐いた。


「朝食を食べたらグリンの部屋に来てくれ。」

「はい。…は?」


表情の窺い知れないスタージュン様の言葉に先ず返事をするものの理解をして聞き返す。今何て言ったんです?は?


「朝食を食べたらグリンの部屋に来てくれ。」


誰が繰り返せと言ったんですか。何ですかそのボケは。笑えませんよ。

そうじゃなくてですよ。


「…ええと、何で、」

「後から説明する。」


それじゃ、と片手を上げて出ていくスタージュン様。えええー…そりゃないでしょう…。


--


着替えて食べ終わりグリンパーチ様の部屋の前。私の横にはニトロくん。

何故か緊張する…教務室に入る前のそれととても似ている…。

服装は大丈夫?ノックしたらクラスと名簿番号と名前ですか?

ああ、混乱してきた。小さく溜め息を吐く。伊織、ここは教務室じゃないし、美食會のクラスと名簿番号ってなんだよ。

ふと視界に入ったニトロくんに大きくなったなぁと思う。現実逃避で現実逃避してる、おかしい。

しかし本当に大きくなった。膝上あたりの身長が、いつの間にやら腰くらいまで来てる。

…うん、じゃなくて。

震える手をドアに近付ける。もう片方は胸あたりの服を握る。

息を吸う。ゆっくりと吐く。

ドアを見る。


「何してんだァ?」

「ひぃぃっ!?」


ノックもしていないのに開いたドアに盛大に肩が跳ねた。













ばれてたのか、


(さっきから動かねェしよォ〜?まだ具合悪いんなら、)

(ちっ違います大丈夫です!!)

(…無理すんなァ?)

(あ、はい、)













ドア越しでも気配わかるひとたち。



2014/01/14

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