少女は捕食者が苦手

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「あれ。」

「や、イオリ。」

「(腕がある。)」


きょとりとする。ひらひらと振ったそれは色は違えどしっかりとトミーロッド様の意思で動いている。

久々(?)に来てみれば穴は塞がってるわ腕は生えてるわ挨拶も忘れてじろじろ見てしまう。


「まだ反応鈍いんだけどネ。」


手のひらをぎゅっと握って、開く。そのあとこちらをみてにこっと笑った。

少しだけほっとするものの、まだ体には色々と繋がっている。


「そんな顔しないでさ。とりあえずドア閉めて。」

「あ、はい。」


どうも鈍臭いのが抜けない。何故こうも動きが鈍いんだか。やっぱりまだトミーロッド様には慣れていないのだろうか。

寝転ぶベッドに寄る。


「ちゃんとニトロ置いてきたネ。」

「トミーロッド様が仰ったんじゃないですか。」

「それを鵜呑みにするかはイオリ次第でしょ?」


にこりと笑ったトミーロッド様に逆らえると思ってるんですかと問いたい。しかし口からは出ない。


「でも、ドアの向こうに居ますよ。」

「セドルも一緒?」

「え」

「わかりやすいなー。」


二度目のきょとり。それにケタケタと笑うトミーロッド様。

あれ、これは。


「引っ掻けましたね?」

「まぁ気配でわかるっちゃわかるけどネ。ボギーかセドルかは賭け。」

「成る程。」


苦笑いをする。それにしても、何で一人でおいでと言われたのだろう。かくりと首を傾げる。


「何ソレ。」

「いえ、何で私一人で…。」

「野郎とか猛獣に見舞いに来てもらうより女の子一人に来てもらった方がよくない?」

「…そういうものなんですか?」

「そういうものなの。」


また首を傾げれば愉快そうにトミーロッド様が笑う。それについ、苦笑いを返した。


--


「お見舞い長いなー」


ぽんぽんとニトロの頭を軽く叩きながらまだかなぁと伊織を待つ。

トミー様と何話してんだか、そろそろ一時間がたとうとしてた。

暇すぎてニトロは舟を漕ぎ始める始末。


「くぁ…」


…欠伸出た。

これは…オイラも舟を漕ぎ始め………













ごめんね眠い


(…わぁ)

(…zzZZZ)

(…えっと、ニトロくーん、セドルさーん………うええ、起きない、)













待ち時間に爆睡



2014/01/07

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