少女は捕食者が苦手

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「そりゃ災難だな。」

「災難どころではないかと…。」


本気で困ってるのですが。いやまぁ、様付けなければいいだけですし自分でも切り替えは早いと自負しているのですが。

翌日。寝っ転がるボギーさんに言ってみれば欠伸を噛み殺しながら凄く適当に返事をされた。ショックで死。


「ま、気にするこたねーよ。」

「ボギーさんは制裁の代わりですけどセドルさんはそういうのじゃないでしょう?」

「ドMだなってか。」

「違いますよ。」


何で突っ込ませるんですか。


「要するに後ろめたいんだな?オレと違って何されたでもなし。なのに上司が従ってるってのが。」

「従ってるというか友人みたいというか…。」

「セドルがそうしろっつったなら命令だと思えよ。」

「(そう来たか…。)」


いや、でも確かにそう考えれば楽かな。うん、大分楽かも。

…そうしよう。


「助言ありがとうございます。」


笑顔で顔を見て言うと顔ごと視線が逸らされた。


「…おぅ。」


きょとりとしつつ首を傾げる。何故視線を逸らされたのだろう。え、なんか怒ってんだろうか。

見詰めていると、寝転ぶボギーさんの腹の上にニトロくんが飛び乗った。

ぐえっ、とか、蛙の潰れたような声が聞こえた。


--


セドルはこの間気付いた。自分が伊織をどう思っているかとか。

別にオレが何かしたとかじゃない。この間急に来て最近変とか言って。

何がと問えば伊織が側に居ないとなんかやだとかわけのわからないことを言って。

その時点で察したオレは嫌な顔をした。独占欲強いなこいつ、とか思った。というかお前もあいつかよと思ったのだ。

落ち着かせてくれたこと。助けてくれたこと。それから、笑顔。

一番は笑顔だな。それで完璧にロックオンした。あ、オレがな。

セドルはと言うと一緒にいるとなんだかよくわからないが心地いいのだそうだ。

そういう話を聞き出すうちに、セドルは気付いた。あっ、なんて大きな声を出して真っ赤になって俯いて。

急に出ていった。話を聞いてやったのに何もなしかよ、と思ったな。

それからなんだかアプローチ増えてるみたいだな。今回のこともそうなんだろう。

しかしお前な…。


「(ペナルティはキスくらい言えよ…。)」


嫌がるようなことして、お前はガキかよ。


「…ま、いいか。」


寝返りをうつ。ニトロに乗られた腹が痛い。伊織、頼むから飼い慣らしてくれ。













動き出す


(伊織お昼!!)

(あ、セドルさん)

(よ、セドル。)

(ボギー帰れば?)

(オレも仕事なんだが。)













気づかぬうちに逆ハー的なアレ



2014/01/04

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