少女は捕食者が苦手
□20
1ページ/1ページ
私結構ここに来てから経ったよね。まだ私のこと知らない人いるんだ…いや、私も美食會平社員の人よくわからないけど…。
そう考えると挨拶回りしたほうがよかったのかもしれない。ん、でも美食會の規模とは。
多すぎたらそんなこと言ってられないし、うん、ここは仕方ないで締めたい。
さて、それを取り敢えず踏まえてだな。現状整理をしよう。
「やっぱ逃げてきたんだろ?どっから逃げてきやがった嬢ちゃん。」
「いや、えと…。」
これはええと、絡まれてる?で構わない?間違ってない?
しかし同じ組織にいる人にこんな険悪な絡まれ方するなんて私どうなの。ぎゅ、と胸辺りの服を握る。
怖くないわけじゃない。怖いさ、相手は意思を持つ人間で、その上強面ときた。強面は散々見てきたけれど。それでも初対面の強面とは最大級の恐怖だ。
そしてもうひとつ怖い要因が。目が怖い。この、獲物を狙うような…なんとも形容しがたい目が怖い。
ああどうしよう。どうする伊織。そろそろ奇跡は起こらないぞ。誰か助けてなどと、考えている場合ではない。
「誰のもんだか知らねえが……本当に嬢ちゃん見ねぇ顔だな、いつ連れてこられたんだ。」
「え、あ、こないだ、」
「この間?嬢ちゃん、どの間だ、」
やめてください畳み掛けないで!!あと顔近いよド近眼か!!
ああ、声が出なくなってきた、もう一人で出歩くのやめよう仕事以外引きこもろう辛い。
「うっ、その、」
「答えられねぇのか?」
「ひぃっ、い、あ、う、後ろっ!!」
「何っ!!…なんだ、何もいな…あっおい!!」
すみません精神が持ちません逃げさせてください。
とはいえノープラン
((どうしよう、どうする、私はお世辞には早いとは言えるが常人程度の足の早さだ時間がないぞ追い付かれるぞ!!))
走る走る俺達
2013/12/24