少女は捕食者が苦手
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「そんでわざわざ仕事前に来たのは普通に用事があったからなんだけど。わかる?」
「…?」
用事?皆さんが?いや、全く思い浮かばない。頭を捻る。うん。わからない。
「ま、わからないよネ。率直に言うとあれ、あー、なんだっけスター?」
「制服」
「そうそう制服。寝間着は昨日用意出来なくてゴメンネ。それでさ、うちでうろうろするのに制服は犯罪臭しかしないじゃん?いや、ボクは面白いし別にいいんだけどね?」
「よくない。」
「この通り、うちの風紀委員が黙ってなくてネ。」
「誰が風紀委員だ。」
「スターしかいないでしょこの流れ。それで、はい。グリン紙袋。」
「ん、ほら」
…トミーロッド様、よく喋りますね…。
どさりと大きな紙袋が机に置かれてトミーロッド様の弁舌に驚いていた顔がきょとりに変わる。何ですかこれ。
「グリンパーチ様、これは…?爆弾?」
「ブッ、ヒッ、ヒッヒッヒ、んな、訳ねェだろ、本当に面白れェな、お前、ヒッヒッヒ、」
「えっ、す、すみませ、」
「…服だ。」
「え」
「制服で動き回られたら困ると言っただろう。」
「スターは心配してるんだよ。グリンの名前があっても見境無いヤツもいるしネ。」
「食事を作る場所でのそういう行為が気に食わないだけだ。」
「は、はぁ…?」
よくわからないけど本当に心配してくれてるのかな…?
だとしたらなんてありがたい…なんだかやっぱり申し訳ない…そしてスター様から苦労人臭が…。
「ええと…ありがとうございます…?」
「…気にするな。」
またネ、なんて笑顔で退出するトミーロッド様とひらひらと手を振るグリンパーチ様と平然と出ていくスタージュン様。
そんな三人を見送って、紙袋を見る。気付かなかったが結構でかい。
「…え…何着入ってるのこれ…。」
限度があるでしょう
(こんなに着るかな…。)
副料理長たち中心ですね
2013/12/05