少女は捕食者が苦手
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「高校3年?」
「あ、はい…」
「気が付いたら?ウージャングルの上で?」
「そうです…」
「なつかれてオレのペットに乗せられて?」
「…」
「降りることも出来ず?ヒッ、ヒヒッ、不憫だなァ〜お前ェ〜ヒッヒッヒッ」
笑われている…何て余裕だ、というか思ったより親身に聞いてくれてる!!本当に悪役かこの人!!
流石にトリップとは言えなかったけど…何だか悪い気がするな、親身(?)に聞いてくれてるのに。(めちゃくちゃ笑ってるけども。今も。)
そしてちらっとだけど生トリコ見てしまった…この人、グリンパーチさんもだけどやっぱでかいなこの世界の人…。
「そんで?」
「ひぃっ!!」
「ヒッヒッヒッ、声かけただけでびびんなよォ」
「はっ、す、すみませ、」
「まァ謝んのは後でいいぜェ。それでお前、どーすんだよォ〜?何なら家まで送ってくぜェ〜?」
え、マジかグリンパーチさんいい人。
と、思ってはたと行き詰まる。家まで?そも、この世界には私の家は無い。どうする。
えっやばい何て言おう。
とりあえず日本、とかって言ってもこの世界日本あんのか!?国っていう概念はあるだろうけど…。
ど、どうしよう。目に見えて焦る私にグリンパーチさんは少しにやにやしながら言葉を待つ。
「まさか、家がわかんねェとかじゃあねェだろ?」
いやぁ、わかるんですけども。
「…道案内、が、出来ません…。」
こちらを見たグリンパーチさんから目を反らすように下を見る。目を合わせたら駄目だ言葉も出なくなる。
「道案内ィ?家がどこにあんのか言えば近場まで行ってやるぜェ〜?」
うっ…いい人…なんなの…。
「どこ、ってのが…わからなくて…」
ぽつり、と呟いてちらりと顔を見るとぽかん。ですよね!!
「自分の家の地域が?」
「は、はい…。」
「わからない?」
「う…はい…。」
下を向く。私馬鹿の子みたいじゃないか!!
一拍子置いて笑い声。それに、つい顔をあげると今度は私がぽかん。
グリンパーチさんが爆笑してる。うわ完璧に馬鹿だと思われた、恥ずかしい顔熱い!!
上げた顔を下げる。ああもう、何で私はこうなんだ!!
「ヒッ、ヒ、ヒィ、あ〜、笑った笑った、お前面白れェなァ〜」
そんなつもりは全く無いです。
「いや、あんま美味そうじゃねェし落としちまおうかと思ったが、お前面白れェから、ヒヒッ、そうだなァ。」
今怖い単語聞こえたぞ
「オレの管轄下に入れてやるよ。」
「…は?」
「お前、名前は?」
「井上 伊織…です」
「伊織なァ。オレァグリンパーチっつーんだ。他に何か言われっからよォ、様つけて呼べよォ?」
「あ、はい、グリンパーチ…様。」
…え、これ助かったんです?
bad endは避けたけど
((幸先不安ですけど、これ私が美食會に仲間入りしたってことですか?))
(ヒッ、顔青いぜェ〜伊織〜?)
((何も言えねえ…))
ノーコメントでお願いしますってやつ。
2013/12/02