少女は捕食者が苦手

□4
1ページ/1ページ




「高校3年?」

「あ、はい…」

「気が付いたら?ウージャングルの上で?」

「そうです…」

「なつかれてオレのペットに乗せられて?」

「…」

「降りることも出来ず?ヒッ、ヒヒッ、不憫だなァ〜お前ェ〜ヒッヒッヒッ」


笑われている…何て余裕だ、というか思ったより親身に聞いてくれてる!!本当に悪役かこの人!!

流石にトリップとは言えなかったけど…何だか悪い気がするな、親身(?)に聞いてくれてるのに。(めちゃくちゃ笑ってるけども。今も。)

そしてちらっとだけど生トリコ見てしまった…この人、グリンパーチさんもだけどやっぱでかいなこの世界の人…。


「そんで?」

「ひぃっ!!」

「ヒッヒッヒッ、声かけただけでびびんなよォ」

「はっ、す、すみませ、」

「まァ謝んのは後でいいぜェ。それでお前、どーすんだよォ〜?何なら家まで送ってくぜェ〜?」


え、マジかグリンパーチさんいい人。

と、思ってはたと行き詰まる。家まで?そも、この世界には私の家は無い。どうする。

えっやばい何て言おう。

とりあえず日本、とかって言ってもこの世界日本あんのか!?国っていう概念はあるだろうけど…。

ど、どうしよう。目に見えて焦る私にグリンパーチさんは少しにやにやしながら言葉を待つ。


「まさか、家がわかんねェとかじゃあねェだろ?」


いやぁ、わかるんですけども。


「…道案内、が、出来ません…。」


こちらを見たグリンパーチさんから目を反らすように下を見る。目を合わせたら駄目だ言葉も出なくなる。


「道案内ィ?家がどこにあんのか言えば近場まで行ってやるぜェ〜?」


うっ…いい人…なんなの…。


「どこ、ってのが…わからなくて…」


ぽつり、と呟いてちらりと顔を見るとぽかん。ですよね!!


「自分の家の地域が?」

「は、はい…。」

「わからない?」

「う…はい…。」


下を向く。私馬鹿の子みたいじゃないか!!

一拍子置いて笑い声。それに、つい顔をあげると今度は私がぽかん。

グリンパーチさんが爆笑してる。うわ完璧に馬鹿だと思われた、恥ずかしい顔熱い!!

上げた顔を下げる。ああもう、何で私はこうなんだ!!


「ヒッ、ヒ、ヒィ、あ〜、笑った笑った、お前面白れェなァ〜」


そんなつもりは全く無いです。


「いや、あんま美味そうじゃねェし落としちまおうかと思ったが、お前面白れェから、ヒヒッ、そうだなァ。」


今怖い単語聞こえたぞ


「オレの管轄下に入れてやるよ。」

「…は?」

「お前、名前は?」

「井上 伊織…です」

「伊織なァ。オレァグリンパーチっつーんだ。他に何か言われっからよォ、様つけて呼べよォ?」

「あ、はい、グリンパーチ…様。」


…え、これ助かったんです?













bad endは避けたけど


((幸先不安ですけど、これ私が美食會に仲間入りしたってことですか?))

(ヒッ、顔青いぜェ〜伊織〜?)

((何も言えねえ…))













ノーコメントでお願いしますってやつ。



2013/12/02

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ