有益に利用したい
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『ウ、ワァ…』
思わず感嘆の声が漏れた。中心に建っていた大きなゴシック様式の教会のような城。そこに入ってみれば、まず大きな像(これまた白い)。
それのラインは明らかに女で、顔形とか、髪の長さとか、どこかで見たことあるような、…?
この、心惹かれる、引き寄せられるような心地、どこかで―――あ、
『…マル?』
返事があるわけもないのに目を見て問う。そうだ、マルだ。確かにそっくり。
ケド、なんか違う…何が違う?見目じゃなくてこう、心情…そう、表情!
こんな冷たい目、してるのなんか見たことないからわからなかったんだ。
…マル、崇められてたの?え?そういう立場?
近付いて台座を見ると何か彫ってある。そっと触れる。
…あれ、わかる。なんで?こんな言語オイラ知らないケド。
『我等ガ造リシ救世主…我等ヲ守リ、敵を消ス…』
…え、マジで崇められてたパターン?マジ?
『ン…!?何処ヘカ消エシ救世主…マタ帰リ来ルヲ願ワン…!?』
…は!?逃げたのマル!?まさかこれ、帰って来るの願って作られたとか!?金かかってんね!!
…おいおい、不安になってきた。ホントにここにあんの!?助ける方法は!!
『ココマデ来テアリマセンデシタトカハ勘弁ナンダケド…!?』
とりあえずこの中全部探し回ろ!!マジでやだからね、マジで無いとかナシだかんね!!
ここに来るまで二ヶ月はかかってんよ!?冗談じゃねーわ!!
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『…ダカラッテコノ書庫ハ無クネ?』
広すぎってか多すぎってか…前途多難すぎだし、オイラなんで軽々しく行くなんて言っちゃったんだろ!!
マルの為だし当たり前っちゃ当たり前だケド!!あーくそー教えろよユーめ、
…面倒だケドとりあえず読も…。
たとえ火の中水の中草の中、本の中…
((むしろ文字の中…))
読むのだけ誰か代わって、みたいな。
2013/11/26