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「始まったかー。」
「おう。」
はぁ、と大仰にため息を吐いたセドルにオレもため息を吐きたくなる。
始まった、というのは言わずもがな、マキの動けない現象の話だ。
その話とデロウスの卵の話をして、報告は終わり。次はセドルが話す番だと窺い見ればセドルはきょとりとしたあと首を横に振った。
「本当にあとちょっとなんだケド。なかなか近付けさせてくれなくてさ〜。」
「気になってたんだが、お前はどこを目指してんだ?」
「マルの故郷。」
ああ、成る程?そこなら手掛かりがあるかもしれないってか。
…近付けさせてくれない?
「何に防がれてんだよ。」
「潮の流れ。なんかピンポイントで入れるトコがあるらしいんだケド…中々見付からなくて。そこで詰んでる。」
「へぇ」
「それがグルメ界から来たみたいな猛獣でも入れないみたいでさ。やっとグルメ界付近で文明が出来た意味がわかったよ。」
…は?
「グルメ界付近?」
「?うん」
…マジかよ知らなかった、んなとこに文明なんかあったのかよ!!
つかマキもすげぇとこ出身だな…。
ちょっと驚いているとふと視界に入ったセドルの顔が青ざめている。それに首を傾げるとセドルが背後を指差した。
恐る恐る振り向く…前に聞こえる羽音。
認識するやいなや引っ掴まれる服。
「っぐ、首絞まっ、」
「ミック、急いでるのはわかるケド、それボギー死ぬ…いや、殺せ!!」
「セドルてめぇぇぇええええ!!!!」
何の用だよher insect
(すごい焦ってるね)
(助けろセドル、何で、引っ張られながら、行かなきゃ、なんねぇんだよ!!)
(面白いからかな〜)
(いっぺん、死ね!!)
ボギーほんと不憫
2013/11/22