有益に利用したい
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やって来た第3支部ではジェリーが当然のように出迎えた。
その様子にマキが久しぶり、なんて声をかけて、ジェリーもそれに返事をする。
用件のことをオレが持ち出すとにやりと笑う。なんだそれ。
と、思ったがそのまま促されて奥へ。
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「…化石?」
「ま、そんなもんだな。」
「これ、戦力になるのか?つか化石っつっても卵じゃねーか。」
通された部屋で見たものは卵の化石である。結構でかい。縦に50センチはあるんじゃねーの。
まぁこのグルメ時代には大して珍しくもない大きさだけどな。
「すまんそれよりさっきから気になってたんだが、マーク、お前その頭の上の、」
「あ、ミック?トミー様に貰ったロックビーだよ。」
「やっぱりか…」
どうやら噂は及んでいるらしい。まぁあの重傷でオレに託した虫だからな。それもそうか。
重傷のうちに虫吐くとか前代未聞だしな。
「さて、気になってたことも聞けたトコで本題だ。何の卵だと思う?」
「化石だからな。」
「昔の?」
「ま、そりゃ生まれた時のサプライズとして。」
「えー。」
マキがジェリーの言葉に可愛らしくブーイングすると頭上のミックもブーイングをしているつもりらしい。つか威嚇だろそれ。怖。
「そう言うな。そんでコイツを戦力にしてぇんだがな…いかんせん3支部じゃ無理だってんでユーに聞いてみたらお前使えるみたいじゃねーか。」
「?」
「お前の血でなんとかなるってユーが言ってたんだよ。」
ユーと聞いて顔が少しだけ嫌そうに歪むマキ。あーあ、可愛い顔が台無しだぜ全く。
「なんとかなるっつってもどうすんだよ。」
「血ィぶっかけるんだと。」
「アバウトだなおい。」
ユーにしちゃアバウトすぎるだろその説明。ジェリーお前省いたな?
「ま、そういうワケだから頼まァ。それ、どうせウチじゃ荷が重ェし持ってっていいぜ。」
「え」
「あ、でも化石から戻るトコは見てェな。よしじゃあ血よろしく。」
マキは少しだけ渋るものの好奇心には勝てなかったようで。近付いて指を切り落とした。
そしたらミックがびびってた。
虫に言うのもなんだけど、お前の気持ちはよくわかる。
(んで?何の卵なんだよ)
(竜王デロウス)
(…は?)
(竜王デロウス)
((…何でだ、身の危険を感じるぞ。))
(何が生まれるんだろね、ミック。)
(知らないお前らが羨ましい…)
うちのボギーさん女々しい上にひどく苦労人ですね?
2013/11/19