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頼むよ、なんて。この人から初めて聞いたかもしれない。というか実際初めて聞いたしついこれが本人かさえ疑ってしまった。

こんな泣きそうな顔したセドル様は初めて見る…怖い、天変地異の前触れ的な何かなのか。

腕の中の女は確かセドル様が連れてきた…。とかって冷静に判断してるとセドル様が本気でやばくなってきてこっちまであわあわとしてしまう。頼むはこっちのセリフだ落ち着け上司。

熱すごくて、どうしよう死んだら!!とガキみたいな上司を見てどう反応したらいいかも何があったのかの説明が無くて何をしたらいいのかもわからなくてやっぱり焦る。

大の大人が集まって(ほぼセドル様のせいで)変に焦って馬鹿みたいだが本当にどうしていいかわからん、下手に動けばぶっちゃけた話セドル様が怖いし。

そんな俺達を見かねたのかはわからんがか細い声が本当に小さな音で大丈夫だよと言った。五月蝿かった医務室がやけに静まり返る。

最初に動いたのは一番焦ってたセドル様で、女をベッドに置いたかと思ったら突然キスして全員が凍ったように止まる。

うわ、なんてもん見せやがるんだこの上司、なんて思ってたらセドル様の何時もの気だるそうな表情がこちらを向いて逆に安心した。


「急に熱出して倒れた。」

「え…あ、はい」

「調べておいて、何で倒れたか。」

「は、い。」

「オイラ仕事戻るから…。マル、…ゆっくり寝てて。」

「ん…。」


二度目のキス。うおおいいちゃつかないでくれこんな大勢の前で!!

セドル様がそのまま出ていくと同時にざわざわざわざわと騒ぎ始める。まぁそうだよな。あんなセドル様初めて見たしな。

…セドル様も他人のためにあそこまでなったりするのか。まぁあの人も人の子ということで…。

…俺は返事をしてしまったし、この女の今の状態のこと調べないとなんだろうなぁ…。他は既に関係無いみたいな顔してるしくっそ早いな切り替え、

とりあえず女を持ち上げて違う部屋使わせてもらおうと移動を始めると女によろしくねと言われた。セドル様の大切な人っぽいし、俺は出来ればよろしくしたくないです。













二度と運ばれてくんな


(マルッ!!)

(うぎゃあっセドル様っ!?大声出さないでください、折角寝たとこなんですから、)

(っあ、ごめ、)

((セドル様が謝った…そして何ですその申し訳なさそうな顔は!!怖い!!))













焦るセドルとそれが移る医療班の人



2013/11/05

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