コミュニティ不振
□5
1ページ/1ページ
急に引き寄せられて驚くが、扱い慣れない体のせいで反応できずされるがままに。
少し狭い通路で壁に押し付けられる。視界に入ったのは赤いジャージ。少し見上げるとヤドカリヘルメット。
広い通路の方を向いて一息ついたそれはこちらを見た。オレも見詰める。
「ご存知かもしれませんが支部長、私です。レイカです。」
「ああ。ご存知だがオレは生憎セドルじゃねぇ。」
ぴしり。動きが止まった。そっと離れていく。
「…なぁセドル。」
「…あ?」
何故だかわからないが急に芝居を入れてきた。予測が外れたことがショックらしい。少し声が震えている。
「…レイカ、どこにいる?」
「…支部長室。」
「行くぞ。」
なかなか上手いな話し方。しかしどこか感情がこもってねぇ。震えはいつの間にか、消えていた。
--
「入んぞ。」
「は?誰…」
扉を開けたのはボギー。後に続いてオイラ。机に座したままぽかん、とする。
「レイカです。」
「オレの姿で敬語使うな。」
「つか、え、どうやって来た?」
「普通に会議に行くと言って。」
平然と放たれた言葉の感情が伴わない響きはなるほどレイカだ。
ということは精神シャッフルはこの三人で間違いはなさそう。
…揃ったってことは。
「改善策考えないと?」
「そのつもりでわた…、オレは来ましたけど。」
「敬語も抜かせ。」
「うん確かにキモイから抜かしていいよ。」
ボギーと敬語似合わなすぎてマジキモイ。
--
「昨日の寝る前までまずは遡るか。」
「オレは仕込み終えて残りを徹夜組に任せて11時くらいに寝た。」
「オイラも昨日はあがるのはやかったな。同じく11時に寝たよ。」
「…オレも昨日ははやかったはずだな。…同じく、11時に…。」
…目星をつけられるのは同じ時間に、だな。しかしそんなものか?それだけでこんな不思議現象が起きると言うのか。ちゃんちゃらおかしい。
三人で無言になる。
「…とりあえず、今日11時に寝てみよう。」
「それで直らなかったらどうすんだ目玉フェチ」
「言い出しっぺは責任取れよ支部長。」
「やだよふざけんな!!」
じゃあもっと本気で考えていただきたいものだ。
思考回路が振るわない
(…)
(…)
(…)
(…とりあえず二人は会議行ったら?)
(…)
(…)
((会話しろ!!!!))
やっとボギーと対面である
2014/01/22