コミュニティ不振

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覚醒。直後に眉間に皺を寄せる。

知らない天井だ。そして知らない寝心地のベッド。知らない水音…。

ゆっくりと起き上がる。知らない部屋だ。

知らない機械に知らない怪物が入っている。そういう趣味の人物の部屋と窺える。それならば覚えがある。

ベッドの脇にヤドカリヘルメットを発見。見知った物だ。

恐らくその人の部屋なのだろう。しかしどうしたことか、当の本人が見付からない。

というより何故私はここに居るのだろうか?…待てよ、時計…

この部屋時計どこだ。無いのか。あった。ヤドカリヘルメットの近くにあった。手を伸ばす。

停止。待て。

…でかい手だな。うらやましい。私のものではなさそうだ。しかし私の意思により動いている。

…鏡。鏡探すぞ。立ち上がる。…目線まで高い。


--


案の定そういうことであるらしい。そういうこととは、私が今意識し動かしているのは第5支部支部長ボギー様の体ということだ。

ふむ、理由が全く見付からないが、致し方無い。たかが中身の入れ代わりで支部の機能を停止させるわけにもいかない。

私の支部が悪いのか、なんとなく監督がいなければ支部とは動かないものだと私の脳内にはインプットされている。

とりあえず部屋から出てみることにした。


「あ、おはようございます支部長、早いですね。」

「、お、おう。」


吃驚した。出待ちとはボギー様凄いな。いや、相手男だけれども。

不意打ちとはいえ返事をしないのはおかしいので適当に返事をしてみせた。どうも抑揚をつけた話し方は苦手だが、仕方あるまい。


「珍しいですね」

「あ?」

「ヘルメットしてないので…。」


…あ。


「忘れてた。」


真後ろの扉を開いてベッド近くへ直行。危ない危ない、よく言ってくれた。怪しまれるところだった。

…いや、今ので怪しまれたかもしれない。


「悪いな。」

「あ、いえ。(具合悪いのか…?)」


ぺこりとお辞儀して歩いていったその人を見送って…ではない待て。


「おい」

「はい?」

「…今日のオレの仕事って、何?」

「…は?」


--


悪趣味な部屋にイラっとした。この部屋はセドルの部屋だ、間違いねぇ。

この顔はセドルの顔だ、間違いねぇ。


「…んだよコレ…。」


この声はセドルの声だ、間違いねぇ!!


「どういう現象だふっざけんな!!」


--


走る。早い。息も切れない。レイカの体おかしい。ではなく。

オイラがレイカに入ってるなら必然的にオイラにはレイカが入ってるはずだ。ていうかそうであってほしい。面倒。

急げ急げと向かうは支部長室。ああ、もうついた。レイカおかしい。

開く扉。硬直。


「…え?」


誰も居ないんですケド?













予測が振るわない


(…じゃあオイラの中身、誰?)

(あーくっそなんもする気起きねぇ、寝る。)

(…会議、…マジかよ…え、あったっけ?(なのに支部長私を仕事に誘ったのか、))













シャッフルシャッフル



2014/01/20

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